ROE(Refractive Optical Element:屈折型光学素子)は、最新のレーザーアブレーション製法(直接描画加工)を用いて製造される革新的なビームシェーパーです。この技術により、1nmの表面粗度を持つフリーフォームの光学素子が実現可能となり、従来の製法では達成できなかった複雑な形状のレンズを製造できます。
ROEは、ビームプロファイルを自由にデザインできるため、特定の用途に応じた高精度な光の制御が可能です。
特長
ROE(屈折型光学素子)とDOE(回折光学素子)の違い
効率(パワーインバケット) | ROE95%~100%に対してDOE70%~90% | ||
ピームプロファイルの品質 | DOEはゼロ次ノイズが発生 | ||
発散光 | パワーフォトニックROEは殆ど発散光発生せず。DOEは回折の影響による発散光の対策が必要な場合あり | ||
耐久性 | 構造、効率的にROEは局所的な熱ストレスが発生しないため堅牢 | ||
初回コスト | パワーフォトニックのROEはマスク等の製造ツールが不要 | ||
作り直しコスト | パワーフォトニックROEはパラメーター変更。DOEはマスク、モール ドの再設計が必要 |
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ビームプロファイルデザインの柔軟性 | パワーフォトニックROEは描画加工によりフリーフォームに対応可能。 | ||
発熱 | 優れた効率のROEは殆ど発熱せず。DOEは熱対策が必要な場合あり |
ー ROEはより高効率な光学設計が可能な、次世代の光学素子として注目されています。ー
用途
自由形状製造技術によりシングルモード、マルチモードの両方に対応でき、かつ様々なスポット形状をつくることができます。
例えば、従来の製造方法では実現できなかったシングルモードで四角形の形状も可能です。
入力ビーム光をビームシェーパーにより各ポジションの光の角度を調整し、フォーカスポイントで理マッピングを行うことで所望の強度分布を生成します。
入力ビーム光をビームシェーパーにてサンプリングし、角度を調整し、フォーカスポイントで重ね合わせることで所望の強度分布を生成します。
4kWのレーザー溶接機にて、⾼効率な⻑⽅形型フラットトップのスポットを実現するため、従来製法では製造困難であった楕円形凸レンズアレイを採⽤しました。その結果、効率(*PIB )は98%以上に改善されました。
この改善により、発振器等のスペックダウンが可能となり、システムコストが⼤幅に下がりました
材質は⽯英ガラス、かつ表⾯が滑らかであるために耐久性に優れ、20kWのハイパワーレーザーでも劣化なく使⽤できます。
※PIB(Power in the Bucket):ビームシェイパーレンズに入力されるレーザーパワーが加工スポットにどれだけ収まっているかを示す指標。
パワーフォトニック社は、ヘリオット・ワット大学量子科学研究所の基礎研究を商用化するために、2004年に設立された、最先端技術に特化した英国のマイクロオプトロ二クス専業メーカーです。超精密な半導体製造装置から、ハイパワーなレーザー兵器、レーザー核融合向けまでユニークな独自製品の採用実績が多数ございます。
ご用命の際は・・・
[製品名]、[レーザー波長]、[レーザー出力]、[パルス幅]、[スポット径]、[繰り返し周波数]をお伝えください。