レーザー・物理光学ソフトウェア GLAD
GLADは物理光学とレーザー解析の最先端を行くソフトウェアです。GLADはGeneral Laser Analysis and Designの頭文字をとったものです。
コヒーレント光を使用するあらゆるタイプのシステムをモデル化できる、使いやすいプログラムを開発することを目的として誕生したソフトウェアです。
GLAD 光学系サンプル AOR Applied Optics Research
GLADについて
GLADプログラムは何千ものモデリングアプリケーションに適用されてきました。毎年、何百もの新しく困難なモデリング問題を解決することは、継続的な改善につながる新しい機能や新しい事例を開発するためのインスピレーションを与えてくれます。
GLADはほぼ全てのタイプのレーザーまたは物理光学系を、完全な回折伝播、レーザー利得の詳細な処理、および他の多くのレーザー効果を含む、完全なエンドツーエンド解析でモデリングすることができます。
GLADは最も困難で複雑なモデリング問題を処理するための豊富な機能を含んでいます。
GLADアプリケーション
コヒーレント(または部分的にコヒーレント)な光を扱う方ならどなたでも、このプログラムから恩恵を受けることができます。GLADを使用すると、簡単な光学システムから非常に複雑な複数のレーザー構成の両方をモデル化することができます。
このコードは回折、アクティブメディア、アパーチャー、レンズとミラー、および収差の影響を含む、あらゆるタイプのビーム列とレーザーデバイスを分析するように設計されています。GLADでは、光ビームは長方形のコンピュータアレイを使用して複素振幅で表されます。これは最も一般的で強力な方法です。
幾何学的光線追跡法、ガウス光線伝搬法、ABCD法、回転対称伝搬法などの古い手法は、そのパワーと汎用性において比較できません。
GLADは商用レーザーシステム、レーザー研究実験、安定・不安定レーザー設計、過渡レーザー応答、フォトリソグラフィー、ビーム制御用高性能位相板、回折効果、シングルモード・マルチモード導波路などの最先端の物理光学モデリングアプリケーションに幅広く適用されています。
GLADの特徴
モデリング
- シンプルな従来型システム、複雑な複数レーザービーム列
- コヒーレントおよびインコヒーレントの相互作用
- 非線形利得(ゲイン)モデル
- レンズとミラー:球面、トロイダル、シリンドリカル
- 一般的なアパーチャー形状
- 近視野および遠視野回折伝播
- 安定および不安定な共振器モデリング
- ザイデル、ゼルニケ、位相グレーティング、平滑化ランダム波面などの収差効果
- レンズおよびミラーアレイ
- 可変サイズアレイ 32,768 x 32,768(GLAD 64ビット)以上
- 長方形アレイと分割可能な回折理論
- 複数の独立したレーザービーム列の伝播
- 自動伝播手法制御(オーバーライド可能)
- 共振器設計の特別機能
- ゲインシート、レート方程式の動力学
- グローバル座標系と幾何学的収差
- ミラーの位置と回転を任意に設定可能
- ラマン、4波長混合、周波数二倍化
- 高フレネル数
- 大気収差のコルモゴロフモデル
- サーマルブルーミング
- 自己集束効果
- ゾーナル補償光学モデル
- 位相共役
- 偏光モデリング
- 部分コヒーレントモデリング
- 可変屈折率モデリング
- ABCD伝播系
- 光ファイバーと3D導波路
- バイナリーオプティクスとグレーティング
- 高NA対物レンズのベクトル回折
- M2特性評価
- 位相回復法
- 有限要素法熱モデリング
- 位相検索とシミュレーテッドアニーリング(SA法)による最適化
最適化
- あらゆる構成の最小二乗最適化
- ユーザー定義のメリット関数
- 全てのシステムパラメータを最適化変数として使用可能
幾何光学
- レンズ群は従来の幾何光学的手法を使用して定義および分析が可能です。
ユーザーインターフェイス
- インタラクティブなコマンド構成
- 統合設計環境(IDE)
- グラフィック表示:アイソメトリック、プロファイル、偏光、等高線プロット
- 拡張グラフィックス:ビットマップ、アイソメトリックと等高線プロットの組み合わせ、Windowsの印刷とメタファイル
- Windowsメタファイル(*.wmf)およびPostScriptへのグラフィック変換ユーティリティ
- コマンドのマクロ
- コマンド内の代数式とユーザー定義変数
- 前処理および後処理のためのユーザプログラムとのインターフェイス
- あらゆるタイプのシステムに関する90以上の事例
コマンド言語
GLADにはシンプルでありながら強力なコマンド言語があり、問題を迅速かつ便利に設定できます。 コマンド言語の学習を容易にするために、事例マニュアルに多数の事例が用意されています。
複雑なシステムのモデリングを支援するために、高度なマクロ言語を提供しています。
簡単な操作と学習
GLADは簡単にご使用できるように設計されています。コマンドはニーモニックです。
プログラムは対話的に、あるいはコマンドのファイルと組み合わせて実行することができます。コードと一緒に配布されている90以上の事例からすぐに作業を開始することができます。
GLADは理論的基礎、コマンドの説明、および90以上の幅広いアプリケーション例などが詳細に記述されています。
自動アルゴリズム選択
GLADは正確な数値解析に必要な詳細を処理することで、回折計算を容易にします。回折計算では、近視野と遠視野の計算で異なるアルゴリズムが使用されます。GLADは適切なアルゴリズムを自動的に選択し、過度のエイリアシングエラーを回避します。
充実したサポート体制
AOR社は1年間無償で技術サポートを提供します。GLADはテキストベースのコマンド形式で迅速かつ便利なサポートが可能です。
保証期間
1年間保証(延長可能)。
不具合は無償で修理します。
GLAD事例集
GLAD でモデル化できる光学系の一部を説明します。
例 17 ラマンアンプ (ラマン増幅器)
ラマン増幅器の一例です。
実際の事例ではありませんが、いくつかの効果をより簡単に説明するために高度に様式化されたものです。
上記の図は、短波長の励起ビームによるシード光のラマン増幅を示したものです。
励起ビームは1.06µmで、シード光は1.54µmです。シード光と励起ビームは共に収差があります。シード光は空間フィルタを通すことで、ビームをある程度きれいにすることができます。シード光と励起ビームは結合させ、ラマン増幅器を通過させます。増幅器は励起ビームを減衰させ、シード光を増幅させます。
このモデルでは励起ビームの位相はシード光に与えられません。励起ビームとシード光の放射照度分布は、アパーチャー端からの回折とビームの収差による影響を受けています。シード光の出力は非回転対称の光学素子の使用を示すシリンドリカルレンズと長方形アレイの使用によって線焦点にもたらされます。
なお、このコードでは、両方向で良好な解像度を得るためのマトリックスユニットを自動的に決定しています。
ブラウザに無料のSVGプラグインがインストールされている必要があります。 www.adobe.com/svg/
励起ビームの初期強度を任意に選択しました。励起ビームの強度は伝播によって位相収差が強度変動に変換されたり、ラマン増幅器での励起減衰によって大きく変化します。(expand) | |
初期の励起位相分布はかなりの収差を示しています。名目上、強度結合のみであるため、この収差はほとんどはシード光に伝わりません。(expand) | |
シード ビームに対する任意の初期開始強度分布(expand) | |
初期シード光は空間フィルターのクリーンアップ効果を示すために、意図的に収差の多い状態で開始されます。(expand) | |
低次収差 (非点収差と焦点ぼけ) のみを残して空間フィルターはシード光からすべての高次収差を除去します。(expand) | |
ラマン増幅器後の励起ビームの強度。 シード光によるエネルギー抽出のため中央の励起の減衰を示しています。(expand) |
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励起光の不均一な強度の一部(回折伝播による)は、シード光強度にインプリントされています。シード光の伝搬に伴い、多少の不規則な強度は位相収差に変換されます。これは、直接の位相結合が無いにもかかわらず、励起光位相をシード光位相に結合する間接的なビームです。(expand) | |
シード光の最終的な画像は、シリンドリカル レンズの影響で大きな伸びが見られます。 シード光が空間フィルターによって十分にクリーンアップされ、励起ビームがその収差をほとんど伝播せずに増幅したため、画像ではほとんど収差が見られません。(expand) |
わずかにミスアライメントした不安定型共振器
以下のスクリーンキャプチャはわずかにミスアライメントした不安定型共振器の解析を示したものです。
右上:装置の出口のビーム形状をフォールスカラーで表示したものです。スクレーパーミラーによりミラーの中心が不明瞭になり、わずかなミスアライメントでビーム上部の強度が高くなっています。
左上:出力ビームを等倍表示したものです。
右下:遠視野分布を示したものです。
左下:収束に至るまでの30回のパスにおける往復損失を示しています。
テキスト入力:左中段のウィンドウに表示されます。
例87 光スイッチ(導波管スイッチ)
この事例ではGLADの導波管機能の一部を示します。
GLADはビーム伝播法 (BPM) を使用して、2Dおよび3D導波路の詳細なモデリングを実行します。
この事例ではより高い屈折率の導波路領域が2つの光路に分割され、ある程度離れた後、2つの光路が再結合してマッハツェンダー干渉計と同等のものを形成します。
左上の導波路に入射した光は導波路に沿って進み、2つの光路に分かれた後、光路が再合流する時に再結合します。
2つの光路長が同じ場合、干渉は強め合いスイッチは「オン」になります。
電気光学効果により屈折率を上げ、光路長を180度変化させることでスイッチを「オフ」にすることができます。
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導波路の中心が示されています。光は左から入射します。(expand) | |
マッハツェンダー構成を左上から右下に伝播する時の光モード。 伝播はBPM方式で行われます。 (expand) | |
等高線図として示されている光スイッチ。 (expand) | |
光スイッチの屈折率分布。(expand) | |
左脚の位相が180度変化するように、より高屈折率が与えられた導波管の領域。(expand) | |
「オフ」の位置の光スイッチ。(expand) | |
有害な干渉。スイッチは「オフ」。(expand). | |
有害な干渉(ビットマップビュー)。スイッチは「オフ」。(expand) | |
有害な干渉(アレイビジュアライザービュー)。スイッチは「オフ」。(expand). |
QスイッチYAGレーザー
QスイッチYAGレーザーの一例です。以下にその構成を示します。
ブラウザに無料のSVGプラグインがインストールされている必要があります。 www.adobe.com/svg/
このYAGレーザーにはエンドミラーとしての2つのルーフプリズム、電気光学Qスイッチ、および収束レンズと円形アパーチャーへのアウトカップリングがあり、バケット内のエネルギーがビーム品質の簡単な尺度となります。(expand) | |
Qスイッチレーザーの過渡応答のモデル化は基底状態、下位レベルN1、上位レベルN2、励起レベルの4つのレベルモードLに基づいています。(expand) | |
光パルスのラウンドトリップ数による出力パワーの関数。 5往復と15往復した時の瞬時出力の様子を示します。(expand) |
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ビームのスペックル性を示す初期パルス中のQスイッチパルス(5往復後)の瞬時出力。 | |
15往復後の瞬時出力。スペックルが大きくなっており、ビーム品質が向上していることがわかります。 | |
アウトカップリングしたビーム内でピンホールを通過するエネルギーとして測定されたビーム品質対共振器の通過回数。(expand) |
無料デモ (Windows 7/8/10)
デモはGLAD Pro 6.1のフル機能版です。
すべての機能がアクティブで、すべての事例とフルドキュメントを提供します。
使用制限付きのデモで十分な時間をかけてじっくりとご評価いただけます。
デモのリクエスト
無料デモのダウンロード用ユーザー名とパスワード発行をご希望の方は、氏名、ご所属先のメールアドレス、ご住所をご記入の上、AOL社(glad@aor.com)へご連絡ください。
デモのダウンロード
デモのダウンロードにはユーザー名、 AOL社から発行されたパスワードが必要です。
GLAD demo program, 32 bit, demo61_32.exe. 自己解凍:demo61_32.exe
GLAD demo program, 64 bit, demo61_64.exe. 自己解凍:demo61_64.exe
マニュアルのダウンロード
ログイン情報無しでダウンロードが可能です。
GLAD Commands Manual 6.1
GLAD Theory Manual 6.1
GLAD Examples Manual 6.1
GLAD 3-Day Course
オンラインドキュメント
現在のライセンス所有者向けアップデート(変更ファイルのみ)
Download updates for GLAD 6.0. (glad60)
Download updates for GLAD 6.0 64 bit. (glad60_64)
Download updates for GLAD 6.1 64 bit. (glad61_64)
その他のファイル
Text of GLAD license (849 Bytes)
フルコードのダウンロード(ユーザー名、パスワード、認証キーが必要です。)
Download full version for GLAD 6.1, 64 bit (setup61_64.exe)
Download full version for GLAD 6.0, 64 bit (setup60_64.exe)
GLAD 過去のバージョン
GLAD ver4.6から5.9までの追加機能や追加事例についてご紹介しています。
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1983年に設立されたApplied Optics Research社はGLADレーザーおよび物理光学ソフトウェアの応用光学研究メーカーです。GLADは「General Laser Analysis and Design」の頭字語です。